人は約半日で風邪をひくこともある
そう反省したのが今日の事
今の時刻は12:30
昨日の夜、フーゴに迎えに来てもらい一緒に寝て、その後裸のまま13時間寝っ放し。
最初は疲れ切り火照る体に程よく効いたエアコンの風が最高に心地よかった。しかしこうも長時間浴びているとそれが寒く感じられる
私の体には風邪独特のじーんとした痛みが覆っていて、もう一睡、もう一睡を繰り返していたからか眠気は無い
ぼやっとした意識でありながらもとりあえず、動こう。とやっと行動が思考に追い付いた
一先ず汗でべたべたの体を流したくておぼつかぬ足下でシャワールームに向かった。
羽織っていた彼のTシャツを脱ぎ、シャワーを浴びる。
浴びたはいいが、体が勝手にぶるぶると震ったのち、ぞわりとした。こんなに暑いのに鳥肌が立つなんて。
早く戻りたいと思いながら大きなくしゃみをした。
勿論くしょん、なんてかわいいものではない。『ぶぇっくし!』という女子としては如何なものかという声だ
しかしながら折角の休みがまさかこう云う形で潰れるとは。
普段こんなことで風邪を引くような体じゃあない。最近少し疲れていたからそれが災いしたのだろう
ともかく何をするにも彼がいない。極度の低血圧の私としては起きたばかりで何か重いものを食べる気力など無い
仕方無く冷凍庫から以前夏場対策として大量購入しておいたパック舗装の個分けアイスキャンディーを取り出し、周りを覆っているビニールをぐしゃ、と破りごみ箱に突っ込んでやる。
そして出したばかりのそれを口に含みごろん、とソファの背もたれに脚を置きを本来座るはずのクッション部分を背中にする。逆さまの格好で背中を目探りその体制で目の前の液晶画面に向けて二進数マークのボタンで手の中のリモコンから電波を放った
テレビからは笑い声が聞こえても私の孤独感と気分の悪さと再び襲い来る眠気と…ごちゃまぜのなんとも云えない感情は晴れなかった
嗚呼、鼻と喉が痛い。すごく渇いている感覚があって、ミネラルウォーターを飲んでもアイスを口に含んでいても治ることのない渇きが私を襲う
なんとなく恋しくなってフーゴ、フーゴ、と虚空に向かって声をかけるがその声すらも鼻声だなぁと思い少し笑った
***
「フー……ゴ……」
「、起きてください、一体何時間寝てるんですか」
「フーゴ……」
「寝惚けるのもいい加減にして下さい」
ぺしっ、との脳天をチョップする
「うええ……痛い……Good morning……」
「Buona Sera、もう17時ですよお寝坊さん。風邪は治りましたか」
「熱は下がったんじゃないかなぁ…風邪に効くっていわれてることは結構いろいろ試したよ。薬も飲んだしネギのかわりに首に玉ねぎ巻いたし」
「なるほど、道理でネギ臭いと思ったらそういう事だったのか……ところでなぜネギを?」
「Giapponeの迷信でね…ネギを首に巻いたり、卵酒っていうのを飲んだりして回復を待つの。あとは人に風邪うつすと治るらしいよ」
「へぇ、それは面白い」
目の前にフーゴが近付き、距離は0になっていた。
足りなくなった酸素を求めて舌が蠢き息が漏れる
「ん……だめ……フーゴに風邪うつっちゃう…明日お仕事あるのに…」
「風邪はうつすと治る、って言ってたのあなたでしょう?
ぼくは場合によっては風邪で休めるような職種だし…それとも、もっとうつりそうな事をしたら治るかも」
それは私が悪化しちゃうからなんて声は塞いだ唇でもう聞こえない
風邪っ引き